2012-07-22

ついにアレッポも


ラマダン月が始まった。今年のラマダンは、シリアにとって、去年以上に厳しいものになりそうである。

まず、ラマダンの始まりが問題であった。サウジが20日にラマダンの始まりを発表したが、シリアは、イランと歩調を合わせて、21日に始まりを設定した。これに反対する人は、20日から断食を始めた。そうすると、20日に断食を始めたかどうかで、政府側、反政府側の活動家というレッテルを張ろうする向きが現れた、という。

教え子のWが、これを嘆いた。確かに、この行為は反対の表明ではあるかもしれないが、だからと言って、急に急進的になったわけではない。また逆もそうである。なんで、すべて二つに分けるのか。無用な分類であると。

しかしながら、20日から、アレッポでも、事態は急速に悪化しだしたようだ。

ある教え子は、30台の戦車が競技場前の通りを通っていった、という。また、先のWの父親の事務所は、アレッポでも一番状況の悪い地区にあるが、昨日事務所に行ったら、銃弾の痕が残っていたとも聞いた。そして政府軍が、アレッポ、サラーハッディーン地区にいる戦闘員たちに、24時間の猶予を与えた、という。

猶予、つまり、その間に投降しなければ、徹底攻撃ということだろう。

そして、先ほど、友人のSさんからのメッセージで、アレッポ空港が閉鎖され、パリからカイロ経由でアレッポに帰る予定の娘のGちゃんが、カイロで足止めを食らっていることを伝えてきた。

教え子の女の子は、昨日は朝からずっと銃声や砲撃の音が聞こえるといって、家に閉じこもっているといっていた。

ついにアレッポでも。でも、まだ信じられない。

こめかみのところが痛い。昨夜から今日にかけてのアレッポからのニュースが、私を、まだ夢を見ながら、早くこの夢から覚めたいと思っている、そんな状態にしている。

聖なるラマダンに祝福あれ。